はやひ研究所

haya"hi" Music Lab

大阪俗謡による幻想曲 - 現田茂夫指揮 大阪市音楽団

こういうライブ録音は一般的な録音と違って、ワンテイクしかないし、プログラムによっては奏者の疲労もあってか演奏精度は落ちるかも知れないけど、そのときの演奏者のテンションや会場の空気が伝わってくるようで、個人的には好きです。 久しぶりに面白い音盤に出会いました。おそらく企画者は1980年代に中高生だんったんじゃないかっていうプログラム構成です。ど真ん中にいた僕もウキウキわくわくな構成です。 大阪俗謡による幻想曲 51bczzv47yl_sl500_aa300_

大阪俗謡による幻想曲

ドミトリ・ショスタコーヴィチ(ドナルド・ハンスバーガー編曲):祝典序曲 作品96 ウィリアム・H. ヒル:セント・アンソニー・ヴァリエーション リヒャルト・ワーグナー(ルシアン・カイエ編曲): 歌劇「ローエングリン」から エルザの大聖堂への行列 大栗 裕:吹奏楽のための「大阪俗謡による幻想曲」 レックス・ミッチェル:海の歌 ジョン・バーンズ・チャンス:朝鮮民謡の主題による変奏曲 ヴァーツラフ・ネリベル:交響的断章 アルフレッド・リードアルメニアン・ダンス パート1 東海林 修:ディスコ・キッド フィリップ・スパーク:陽はまた昇る 現田茂夫 指揮 大阪市音楽団 2011年6月10日 ザ・シンフォニーホール ライヴ録音 FOCD9541 定価2,800円 (税抜価格2,667円)
最近、たぶん指揮者の現田さん、吹奏楽にはまってるんだと思います(笑)。きっかけはN響のほっとコンサートでしょうか。 アレンジ作品の編曲はとても有名なバージョンですが、あの間違いだらけの祝典序曲はかなり修正されてる感じですが、「エルザの大聖堂への行列」は例のカイエ版なんだけど、なんだか慣れ親しんだ響きじゃないんですよね。どちらかというと保科版のような感じもしなくもありません。 また大好きな、「潮煙」じゃなくて「海の歌」もプログラムされています。課題曲の「潮煙」をはじめて聴いたときにはこの「海の歌」からインスパイアされて作曲されたんじゃないかと疑いました(笑)。しっくりと歌い込んだ前半部分と、少しポップな感じのリズムと和声がたまりませんでした。 さらに、自分にとっては思い出深い「交響的断章」。この曲、途中で長いシロフォンのソロがあるのですが、自分が昔演奏したときに、あまりに緊張しすぎてか、顔が鍵盤に近くて思わず、マレットで自分の眼鏡を叩き割ってしまった思い出も懐かしい(Orz)。録音もネリベルの真骨頂、オルガンのようなクラリネット群のフレーズは健在でした。 残念なことがただひとつ、全体的にテンポがどの曲も「遅い」ことかな。どうしても慣れ親しんだテンポが正しいものだと勘違いすることもあるけど、それにしてももう少し速い方がうれしいのは僕だけじゃないと思います。 ★★★★☆