芥川也寸志 01 - 交響管絃楽のための音楽
はやひの作曲家撰集 - 001
たぶん誰でもが自身の思い出とシンクロする曲を持っていると思う。ある大学に入学し、部活動の厳しさと何かそれらのアプローチに違和感を強く感じていた時に出逢った曲。大袈裟だけど当時は人生のリセットも考えて、専門音楽への道も考えていた頃だったような気もする。
不思議とその音楽を聴くと、実は香り付き。沈丁花の香り。
交響管絃楽のための音楽
Musica per Orchestra Sinfonica
記憶と五感がシンクロするのは不思議。憂鬱な律動ののち、もの悲しい旋律がコールアングレで中間部に備わった第一楽章。その悲しさを断ち切るかのようにシンバルの一撃で開始される第二楽章。印象的な金管群によって演奏されるテーマが様々な楽器によって受け継がれ、途中コミカルな下降型のフレーズがウィットで何もかもが構成的にイカしてる。これらの二つの印象的なフレーズが、途中心地いいブリッジをかえしながら実に良いタイミングで交差するのが気持ちいい。
紹介したい音源はこれなんけど絶対に絶版。いづれ書くつもりではいるけど、カップリングしている曲も(また大袈裟だけど)人生の転機に連動している。嗚呼、懐かしい。
現代日本の音楽3
1990 KING Record KICC 2013
比較的に芥川也寸志の代表作でもあるから、他盤も入手しやすいと思う。これも個人的には好きな録音です。何気に海外へ行く時、コンパクトに日本人作品がまとめられているので音楽関係者へのお土産に使っていました。
また、最近はこんなのもあります。作曲家ご本人の活動の一つであったアマチュアオケの新交響楽団でなんと練習風景もカップリングされています。あんまり練習のときの演奏が上手じゃないところが親近感がもてます(笑)。
■楽譜情報
全音楽譜出版社 ISBN 978-4118936017
■Wikipedia情報
芥川也寸志
交響管弦楽のための音楽