はやひ研究所

haya"hi" Music Lab

三善晃 01 - 管弦楽のための協奏曲

はやひの作曲家撰集 - 002 実はネーミングに違和感を覚える。協奏曲って独奏楽器をしつらえた楽曲なのに管弦楽みんなが独奏楽器なのかという疑問。残念ながら打楽器は入っていないんだという古典的なやりとりは省略。 管弦楽のための協奏曲 (1964) Concerto pour orchestre たぶんあってると思うけどヒンデミットのそれが第一号のような気がする。一番有名なのがバルトークのやつで普通の管弦楽曲じゃんって思うのは俺だけか? ここで紹介するくせに、初めて聴いた三善晃管弦楽のための協奏曲はオケじゃなくて吹奏楽でした。つうの業界人だったらご存知の天野正道編曲のバージョン(演奏 - 秋田南高等学校吹奏楽部)。でも、なおのこと「管弦楽」の体をなしていないという吹奏楽の呪縛。 では本物。 1990 DENON COCO-6271 現代日本音楽の古典 11 第一楽章はめまぐるしく変化する管弦楽法がアドレナリンの分泌を促すようで、はじめ数小節で一気に興奮します。三善晃のAllegroの醍醐味が短いながらに味わえます。また大音量で聴くのも一つの楽しみで、まるで音楽に恫喝されているような気さえもします。 Yashiro2 第二楽章は一転して不気味な雰囲気を醸し出します。部屋を暗くして聞くとまるでホーンテッドマンション状態で最後の大太鼓の三回の「ドンドン」は幽霊にノックされているようです。三楽章はさらに一転して、一気にAllegroです。打楽器の使い方が秀逸で、様々な皮膜楽器をつないでしりとりします。正確なアンサンンブルができないとこの面白さは感じ取ることができないでしょう。ホルンの雄叫びが印象的に、そのあと一気に曲が閉じます。まるで短距離走。 そんなにメジャーじゃない(そもそも邦人作品がメジャーじゃない)ので音盤も少ないです。かろうじて現時点(2011.12.3)で入手できそうな音盤ももう10年前のもの。 ■楽譜情報 音楽之友社 管弦楽のための協奏曲 是非スコアを見ながら聴いてほしいです。でも残念ながら今は出版されていないようでオンデマンドのようです(じきにミニチュアスコアでもでればいいな)。曲はめまぐるしく変化するのでスコアをめくるのが間に合わないかもしれないので、要練習。 Wiki情報 三善晃