はやひ研究所

haya"hi" Music Lab

日本作曲家選輯 - 別宮貞雄

また重要な日本の作曲家がいなくなってしまいました。吹奏楽では課題曲にもなった事がある(行進曲「清くあれ爽やかなれ」)ので知っている人も多くいるのではないのでしょうか。 個人的には現代を生きながらも難しいものではなく、調性感のある美しい音楽が多いと思います。いつもながらお世話になって、しかも仕事だと思っているナクソクの「日本作曲家選輯」から別宮貞雄の音盤の紹介です。 やっぱり「交響曲」を書くって作曲家にとって気合いが入ると思うんですよね。しかも交響曲第一番なんで色んな思い入れが十分に詰まっていると想像します。現に内容の濃い楽章ぞろいです。個人的には第三番とこの第一番が好きなんですよ。 ベートーベンをこよなく愛し、とかって評されているので、そっち系かと思いきや(あくまでも個人的な主観ね)第一楽章はラヴェルを彷彿しているような気がします。いきなり美しいんです。これまたハープ、チェレスタヴィブラフォンの使い方が美しいです。第二楽章はトムが印象的なんですが、この録音はチューニングがいまいちでトムの旋律線が浮かび上がってきません。第四楽章も結構、僕好みでちょい雰囲気が変わって、ショスタコとかプロコみたいなロシア風。行進曲の形式が最後の楽章にうってつけで、シロフォンが哀愁を色付けてます。 実は別宮貞雄交響曲を全部で五つ書いていて現行手に入る音盤ですべて聴く事ができます。なくならないうちに、お揃えください(笑)。 交響曲第一番と第二番は先のナクソスに収録されていて、第三番と第四番はこの音盤です。 Focd2510_3 っでもって「人間」って冠される第五番はこれです。 それから教えてほしい事があります。別宮貞雄の作品の中に季節の名前が冠されているものがあるのですが、「冬」だけ見当たりません。どれが「冬」なのかあるいは無いのかご存知のかたお教えください。 春 - 交響曲第三番 夏 - 交響曲第四番 秋 - チェロ協奏曲 最後に氏のご冥福をお祈りいたします。ありがとうございました。合掌。