はやひ研究所

haya"hi" Music Lab

曲を創ること②打楽器奏者が泣いている

自分が打楽器を演奏するせいか、僕の曲は打楽器の比重が「ど」えらくたかいです。今回はどんな比重がのしかかっているのか自己分析いたしました。

①譜割りがえらい難しい

その前に「譜割り」ってことばは通じるものなのでしょうか・・・。しかしながら、このことは練習することで解決するものと思っています。僕の頭に浮かんだものをそのまま書くとこんなん(譜割り)になっちゃうのです。どうしても僕のアイデンティティの根底に「日本」的なフレーズ感とリズム感があるので、西洋文明に培われた記譜法やリズム処理では不整合が生じて、このことが複雑な譜割りを生んでいます。しかしこのことは打楽器意外にも発生する問題ですが、ことに打楽器は楽器が大きい分、肉体的な不都合が同時に発生し、その比重がたかくなります。練習ではこの不都合を矯正することなのです。ときには「口三味線」で伝授することも多々ありますが・・・。

②楽器がえらい多い

毎年曲を書いていて、笑い話になるにもかかわらず、笑えないくらい楽器が多き時が多々あります。これは打楽器奏者に重大な肉体的ダメージを与えます。ですから自分が演奏する曲の場合はたいてい少ない楽器で処理しています。あんなこんなで演奏者やや演奏団体から今年こそは楽器の数を減らしてくれと言われ、対応すべく少ない楽器で書くと今度は物足りないとクレームが付くので、(勝手ではありますが)楽器の多さに関してはみんな「M」じゃないかと思っています。

③チャイムらしくない

僕はアンサンブルでも吹奏楽でも「チャイム」という楽器が大好きです。豊かな倍音構造をもちどんなシチュエーションでもマッチして、音楽上のアクセントとして非常に有効です。

これも笑い話なんですが、演奏家が楽譜をもらったときに、はなからチャイムの譜面では無いだろうと「フロッケンシュピール」で演奏していました。そのくらい複雑な譜面だったのでしょう。

以前はチャイムという楽器は大きいし、高いしという理由で普及率(所持率)が低かったのですが、しばらく僕とおつきあいをしてもらっていると、みんなチャイムを購入してもらえます。それほど使用頻度がたかくコストパフォーマンスに見合うからだと思います。先日、はじめてチャイムを「個人もち」した方にお会いできました。

ティンパニだって

僕の曲の場合ティンパニだって「メロディ(旋律)」を演奏します。(たいていの場合)4つしかないのに何で・・・とお思いでしょうが、和声上の処理と先ほどのチャイム等を同時に使えばなんと「メロディ(旋律)」を演奏することが出来ます。この技法は企業機密(?)ですが、演奏家にとっては楽しいものと勝手に思っています。その代わり音換え(ペダリング)の比重も高くなるのですが、ときには鼓面を押すことでピッチを変化させ対応することもあります。

あんなこんなで僕に好んで打楽器の曲を委嘱する方は絶対に「M」だと思います。