はやひ研究所

haya"hi" Music Lab

マウンテン・ロード〜それは死へ過程

(ふだん接することの少ない)キリスト教観に接することの出来る作品が多いマスランカ(David Maslanka)。安易に曲に讃美歌を挿入することなんかは簡単だけど、(キリスト教観)思想を織り込む事は日本人にとってはとても難しいような気もします。思想は文化や生活の中から生まれてくるものだから、余計に(それらの宗教観と実際の作曲とを結びつける)思考からほど遠いように思います。 Mountain Roads (1997) – 27 minutes for Saxophone Quartet
The idea of death is not so much about the final end as it is about change. The process of growth is constantly about “dying” to one way of thinking or feeling, and opening to another.
そもそも普段から、宗教的側面から死生観とかを考える事の少ない日本人は、こんなことを言葉にする事もしんどい作業で、死という現実があるのにいつも、抽象化されているように思います。 しかもこの作品はバッハの二つのコラールが引用される。これってとても難しい作業のように思う。だってバッハの作品の持つグラウンドと、作曲をするに至ったマスランカの動機をひとつの曲に破綻なく融合することは、バッハへの啓蒙と確固たる思想と作曲のテクニック、それぞれが備わってないとできるものではなさそうに思う。 Alle Menschen müssen sterben Wo sol lich fliehen やっぱり、実際の曲の中ではAlle Menschen müssen sterbenが出てくる最終楽章がいいかも。アンコンではこの楽章やらずして(すくなくとも)マウンテン・ロードの神髄はないかも。 あえて違う団体の音盤を紹介。 補足 やっぱりマスランカも「finest」と言っている雲カルの音源を紹介したい。というかiTunesで発見したので。 デイヴィッド・マスランカ マウンテン・ロード Djuvajaivg170x17075